元々の設計がわるければ、いくら頑張ってもうまくいきません。それなりのものしかできません。たしかに作ろうという熱意はあった方がよいのですが、 その商品の設計思想が誤っていれば、少しのミスで大きく形が変わってきたりします。キットのウッドデッキ商品の会社(設計者)に哲学があれば、少しミスをしても、出来上がりに影響しないような設計になっています。
パンフレットやネットでウッドデッキの使用木材にシダー(シーダー)材と記載されていれば、ちょっとおかしいです。
シダー材とは厳密にはマツ科ヒマラヤスギ属の木の事で、デッキ材には使われていません。カナダから輸入されている、レッドシダーがウッドデッキ材として有名で人気があるので、シダー材と勝手に名付けられたと推察しますが、レッドシダーは正式にはウエスタンレッドシダー、Western Redcedar 学名Thuja plicataといい、ヒノキ科ネズコ属です。
ヒマラヤスギ
ウエスタンレットシダー
6.SPF材というのは、北米のスプルース、パイン、ファー系の針葉樹が混ざったもので、ツーバイフォー(2X4)工法住宅に利用する木材です。 枠組み壁工法とも言われ非常にすぐれたシステムの住宅の建築方法です。2x6(ツーバイシックス)や2x4(ツーバイフォー)の部材がレッドシダーの部材と同じサイズであること(寸法や角が面取りしてある)や、同じ産地であること、そして何よりも安く手に入れられることから、ウッドデッキに利用され始めました。問題1は、そもそも2x4材は雨のかからないところで使用することが前提で、屋外で利用することは想定外のことですし、材質的に無理があります。そのまま利用すると2~4年で腐るでしょう。また防腐剤を含む塗料を塗ったところで少し効果がある程度です。
問題の2はSPF材に防腐工場で加圧注入方式による薬剤を浸透させる方法があります。以前でしたらCCA(クロム銅ヒ素系)という強力な薬剤があり、SPF材でも15年程度は問題ありませんでしたが、毒性や処分時の問題などがあり、現在は日本では製造されていません。そのため現在ではタナリス、ACQなど、さまざまな薬剤加工がありますが、防腐の効果はかなり落ちます。5~6年程度でしょう。
また、現実には木材に十分染みこんでいない場合もあります。理論上は加圧処理をすることにより表面から数ミリ入るのですが、ムラができたりします。そして切断した小口は処理なしと同じ状態となります。干割れが発生しますが、そこから雨水が入れ込んで薬剤のない部分に到達するとスグに腐ってきます。よってSPF材を利用してのウッドデッキは欠陥品ということになります。しかし国産杉やレッドシダーにこれらの防腐処理を施すと効果があります。