一般的に言って木材の価格は体積で決まります。同じ断面なら、長い方が高くなります。そのため手すり柱でも短いものを採用しているメーカーがありますが、それはコストを安くするためが一番の理由です。
手すり柱が低(短く)くなるメリットはデザインだけです。逆にデメリットは低いと人がひっかかってウッドデッキの外に倒れてしまう可能性があります。公共構築物などでは責任問題もあるため、決して採用されないものです。また柱を高くするほど床板に接着している箇所の強度がより必要になってきます。高くできないのは技術的に床板との接着強度を保つことができないことも理由のひとつです。
当社では手すりの高さは標準として750~770mmに設定しています。長年の製造・販売そして安全の経験からそのような数値になっています。もちろん特別な事情で短い(低い)もの、長い(たかい)ものが必要な場合は製造いたしております。
当社ではウッドデッキには正方形のユニットタイプのものは販売せずに、すべて床板が段差のできないロングタイプを採用しています。このことにより、床板に段差ができてつまづく心配はありません。
また、機能性能という面から見れば、例えば90センチ角のユニット状のものを6枚並べて奥行1.8メートル、幅2.7メートルのデッキを作ろうとします。写真や動画ではユニットを並べるだけで完成となっていますが、実際はこの6枚を一体化しなけばなりません。ひとつのユニットは次のユニットとはボルトで根太どうしを繋ぐようになっていますが、現実的にこのような作業はできるでしょうか。非常に困難なことです。
そして地面は完全に水平であるのではありませんので、ユニットごとに傾きができます。どうやって床板を水平に保つことができるでしょうか。ユニットごとに段差が必ずできてしまいます。1ミリ以下ならいいのですが5ミリもできてしまうと、大変危険です。これらは中国製のものですが、完成後のことを考えていないのです。このようなユニット型には性能として大きな欠陥があります。より詳しい「段差がない構造」はコチラ。
構造編で手すりの構造の優位性をお話しましたが、メンテナンスも簡単で確実です。
木材の特性上、手すりは必ずメンテナンスが必要です。(木材の特性と手すりについては構造編をごらんください)
一般的な手すりは床板と手すり柱を金具で取り付けています。基本的な構造はL字型金具で床板と柱をビス4~6か所で止めています。年数が経つと金具と木材の接着面に隙間ができますので、ビスで締めなおさなければなりません。ここでいくつかの問題がでてきます。
当社の手すり柱の場合床板の下にボルトがでていますので、その部分のナットをスパナで回すと締まります。非常に簡単で上記の標準的ウッドデッキで5か所締めるだけです。力のない女性、子供でも簡単にできます。5分もかからないでしょう。
当社の木材以外のオリジナル部材はビス、金物、束石、調整束の4つあります。当社が企画開発した部材です。 たまたま担当者ブログでこの金物の記載が昨日ありましたので、ここに掲載します。
キットデッキの開発で試行錯誤していた頃、「シンプソンの金物」を使ったことがあります。
この金物はアメリカカナダで広く使われていて、種類も豊富です。またシンプソン社から本社社屋建設時には巨大な原木をご寄贈いただいたり、同社副社長ご夫妻が来社されたりと、個人的には感謝と好感をもっていたメーカーなのですが、ウッドデッキ用として、DIY初心者が扱うには色々と問題がありました。
それは
改良点は次のところです
この商品は開発して四半世紀以上経過しますが、なかなか優れものです。 製作当初はこの金物の型代の償却ができるか不安でしたが、隠れたベストセラー商品になっています。 実際にこの金物を使っているお客様の施工例をご覧頂ければ片側だけで十分強度があることがお分かり頂けると思います。
当社では施工でハードウッドを利用する場合にビスの問題に悩まされてきました。
途中で折れたり、奥に入らない・元に戻らない状態になったりします。またビスが床板の2-5ミリ上で折れると、芯の部分が残るようになります。釘であればそのままハンマーで叩いて押し込むことも出来ますが、ビスでは無理です。そしてこの部分はひっかかりがないので、取り去るには特殊な工具が必要です。一般の方では手の施しようもありません。当社に問い合わせなどがあった場合は、特殊工具とその使い方をご説明してきました。そのようなことから、日本で手に入るビスをすべて試してみました。「ハードウッド専用」とか「最強の~」とかネーミングを見ると強そうなビスとか、すべてを試しました。当社の基準を満たすものではありませんでした。
そこで日本のあるビスメーカーに当社企画設計のビスを製造してもらうことにしました。試行錯誤の結果、すばらしいビスが完成することができました。商品名「NMSビス」といい、41mm、 52mm、 65mm、75mm,の4つのサイズを販売しています。昨年からは同業他社からも販売しています。
2021年8月現在で、ウリン材などで利用するビスとしては日本で最強のものと自負しております。
当社で3社のメーカーのビスで実験しました。**別写真( 個別説明>最適化された部材)をごらんください。
最強の意味は他のビスにくらべると折れにくいということです。NMSビスは完全に折れないというものではありません、あくまでも他社ビスよりも折れる度合が少ないということです。実際の他社ビスとの比較試験などの資料はコチラ
日本で最も早くからウッドデッキの施工している当社は、豊富な経験からさまざまなノウハウを得ました。ウッドデッキの床下構造、特に束石についてもそうです。プロが施工する場合と、DIY未経験の人が施工する場合とでは作り方が異なります。
ウッドデッキの記事や制作本で誤っているのは、素人にプロが施工する場合と同じ考えや方法をとっていることです。
(急斜面地や相当高い床下構造や重量があるパーゴラ一体のウッドデッキなどの場合はプロと同様の施工や技量が求められます。)
しかし一般の住宅に製作するウッドデッキの束石設置では確実に、そして簡単にしなければなりません。
また正しい知識が必要です。これらは当社の制作理念でもあります。
束石について2つの誤った考えがあります。
ひとつは地盤(土地)は均一で沈下しないと思い込んでいること。
もうひとつは重量物をささえるので、住宅やフォンス・塀などの基礎と同じ仕様でなければならない。
の2つがあります。詳しくは「つくりやすさ 束石は置くだけ」のページをご覧ください。
穴が開いていて柱が入るタイプは安定がするようですが、中に雨がたまり虫の発生や腐れの原因になります。また床板を載せてしまうば動かすことが出来ません。
羽子板(金具)付きのものは、同じく安定するようですが、ビズで止めてしまうと、束石だけを動かすことが出来なくなります。
ピンコロはタイプは機能としては良いのですが、束石が目立ちます。
このようなことで、当社ではあらゆる束石を利用や実験をしましたが、理想的なものはありませんでした。そこで当社で考えた理想的な束石を開発したのです。スマートなウッドデッキに合わせて、ちょうどよい大きさになっています。余計なものもついていません。一番使いやすくて安価な束石です。そのため業者様からのご注文も多くいただきます。
当社の束石の設置方法は少し固めた地面の上に束石を置くだけです。